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特集
書籍「発達が気になる子が輝く柔道&スポーツの指導法」
やめてしまったあの子を思い出すことはありませんか。
もっと違う指導をしていたらあの子は柔道を続けることができたのではないかと。
子供たちの個性はとても多様です。発達障害があってもなくても。そんな個性豊かな子供たち一人ひとりが素敵に成長するためにはどうしたらよいのか。
発達障害に関する情報はたくさんありますが、地域の柔道クラブの指導者が抱える悩みや後悔の念に向かい合ったものは見当たりません。
この本はその悩みに向かい合い、試行錯誤してきた4人の柔道の指導者が書きました。
出版の背景
大きな社会課題となっている発達障害ですが、近年、運動が脳の及ぼす効果についての研究が進み、発達の凸凹の改善に運動が有効である可能性が様々な研究から示されています。
しかし、見聞きする限り、発達が気になる子が地域で豊かに柔道やスポーツに親しめる環境を作ろう、それを支援していこうという取り組みは十分ではなく、現場のスポーツ指導者は、発達が気になる子への指導について、相談する相手もなく指導法を学ぶ機会もなく、苦労しているのが現状だと推察されます。
また、子供たちは、せっかく柔道やスポーツを始めても合理的配慮がないために途中でやめてしまったり、保護者は「うちの子が迷惑をかけるかもしれないから」と遠慮してあきらめてしまうという事例も見聞きしています。
このような現状を打開するため、NPO法人judo3.0は、専門家の協力を得て現場で役立つノウハウを開発整理して、2018年から全国各地で、柔道やスポーツ指導者、保護者などを対象とした「発達が気になる子が輝く柔道&スポーツの指導法」ワークショップを開催してきましたが(400名以上の指導者等が受講)、この度、その知見をより多くの人々に届けるため、書籍化しました。
購入方法
本の内容
この本は、
①発達障害の研究者
②発達障害のある子供が柔道に親しめる環境を作るために新たにクラブを立ち上げた少年柔道クラブの指導者
③発達障害児への療育を提供する福祉施設の運営者
④社会課題を柔道で解決しようとするNPOの設立者
という、それぞれ異なる領域で発達障害に関わってきた4名の柔道の指導者が、2年以上の歳月をかけて、指導の現場で役立つ知見とは何か、を協議して作った本です。
柔道の指導者が作りましたが、柔道だけに当てはまるものは少なく、スポーツ指導全般に当てはまるものになっており、スポーツの指導者だけでなく、保護者が子供と一緒に身体を動かすときにも役立つ内容になっています。
内容は4章に分かれており、
第1章では、発達障害とは何か?運動にはどのような効果があるのか?を学びます。きっと想像以上に自分たちの役割が大きいことに胸が躍ると思います。
第2章では、子供との関わり方について学びます。声かけ一つで子供が変わることを知ったら、子供たちと接する日が待ち遠しくなると思います。
第3章では、運動プログラムの作り方について学びます。いま行っている稽古を大幅に変える必要はなく、ただちょっと視点を追加するだけで子供たちは伸びることについてふれています。
第4章では、コミュニティの運営を考えます。発達が気になる子への指導をはじめた指導者は様々な困難に向かい合うことになりますが、それは、子供を導くだけでなく、意図せずとも、コミュニティそのものを導いていたことに起因する部分があります。問題を構造的に理解してリーダーシップを発揮いただくための一助になったらと思っております。
こんな方がにおススメ
- 地域の柔道やスポーツクラブの指導者
- 発達が気になる子の保護者
- 学校の体育や特別支援に関わる小学校・中学校・高校・大学・特別支援学校の先生
- 児童発達支援や放課後等デイサービスなどの福祉施設で運動指導にあたるソーシャルワーカー
スポーツ団体の指導者向け研修会、学校体育や特別支援に関する研修会、福祉施設職員の研修会のテキストしてご活用いただけます(研修会での講演なども行っておりますのでお問い合わせください)。
本の概要
単行本(ソフトカバー):62ページ
出版者:特定非営利活動法人judo3.0
ISBN:978-4991128004
価格:1000円(税別)
発売日:2020年5月29日
助成:2018年度スミセイコミュニティスポーツ推進助成プログラム
著者
西村健一
島根県立大学准教授。専門は特別支援教育学。公認心理師。臨床発達心理師スーパーアドバイザー。発達障害の研究者で、認知や行動に関する論文を多数発表している。著書に「子どもが変わる! ホワイトボード活用術( 見る・聞く・書く・話す・参加するために)」読書工房(2017/11/30)(共著)などがある。少年柔道クラブ及びスペシャルオリンピックス日本柔道プログラムの指導者。
長野敏秀
ユニバーサル柔道アカデミー代表。四国中央市役所発達支援課( 子ども若者発達支援センター) 勤務。一般財団法人愛媛県柔道協会理事。発達障害コミュニケーション中級指導員。心理学NLP プラクティショナー。2015 年9月、愛媛県四国中央市にて、発達障害のある子もない子も共に柔道ができる環境を目指して、少年柔道クラブ「ユニバーサル柔道アカデミー」を設立。
浦井重信
一般社団法人児童基礎体力育成協会代表理事。プロスポーツトレーナー協会公認メディカルトレーナー。柔道整復師。整体師。大阪府堺市にて、文武両道の放課後等デイサービス「みらいキッズ塾」を運営し、発達障害のある子供に対して柔道を中心とした運動プログラムと学習支援を行っている。少年柔道クラブの指導者。
酒井重義
特定非営利活動法人judo3.0 代表理事。宮城県女川町在住。東北大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士課程前期修了、都内で弁護士として活動後、社会をよりよくするポイントは「運動」と「つながり」を軸にした教育や福祉の再構築にあるとの認識に至り、福祉系ベンチャー企業での勤務、発達障害のある子供たちに運動療育を提供する福祉施設の運営などを経て、2015 年1月、judo3.0 の活動を開始。少年柔道クラブの指導者。
本の目次
はじめに
第1 章 発達障害に運動で挑む理由
1-1 発達障害の種類と診断
1-2 指導者ができる三つのこと
1-3 指導者とは「栄養」と「薬」を届ける人!?
1-4 現場からみた柔道とスポーツの可能性
第2 章 子供との関わり方
2-1 指導の工夫の仕方- 応用行動分析-
2-2 指導者が直面する4つの問題行動
第3 章 運動プログラムの作り方
3-1 運動プログラムを作る視点
3-2 体幹の動きを改善する
3-3 バランス能力を育む
3-4 体幹とバランスQ & A
3-5 複雑な動きができないときは単純な動きを
3-6 運動遊びの活用
第4 章 コミュニティの進化を促す
4-1 コミュニティの課題を改善する四つの行動
4-2 少年柔道クラブ「ゆにじゅ~」の運営
4-3 福祉施設「みらいキッズ塾」の運営
4-4 コミュニティの可能性が見える二つの視点
あとがき
「はじめに」を全文公開
やめてしまったあの子を思い出すことはありませんか。
もっと違う指導をしていたらあの子は柔道を続けることができたのではないかと。
子供たちの個性はとても多様です。発達障害があってもなくても。
そんな個性豊かな子供たち一人ひとりが素敵に成長するためにはどうしたらよいのか。
発達障害に関する情報はたくさんありますが、地域の柔道クラブの指導者が抱える悩みや後悔の念に向かい合ったものは見当たりません。
この本はその悩みに向かい合い、試行錯誤してきた4人の柔道の指導者が書きました。
愛媛県で、既存の少年柔道クラブでの指導に限界を感じ、発達障害のある子もない子も共に柔道に親しめる環境を作ろうと少年柔道クラブを立ち上げた長野敏秀(ユニバーサル柔道アカデミー代表)、
島根県で、特別支援教育における柔道の活用を研究してきた西村健一(島根県立大学准教授)、
大阪府で、少年柔道クラブの指導をしながら、発達障害のある子供たちに柔道を活用した療育を提供する福祉施設を立ち上げた浦井重信(文武両道の放課後等デイサービス「みらいキッズ塾」代表)、
宮城県で、社会課題を柔道で解決しようとするNPOを立ち上げた酒井重義(特定非営利活動法人judo3.0代表)、それぞれ異なる領域で発達障害に関わってきた指導者です。
第1章では、発達障害とは何か?運動にはどのような効果があるのか?指導者には何ができるのか?を学びます。きっと想像以上に自分たちの役割が大きいことに胸が躍ると思います。
第2章では、子供との関わり方について学びます。声かけ一つで子供が変わること、指導を工夫する楽しさを知ったら、子供たちと接する日が待ち遠しくなると思います。
第3章では、運動プログラムの作り方について学びます。いま行っている稽古を大幅に変える必要はありません。ただちょっと視点を追加するだけで子供たちは伸びると思うのです。
第4章は、少年柔道クラブなどのコミュニティの運営を考えます。発達が気になる子への指導をはじめた指導者は、その子だけではなく、コミュニティそのものを導いていたことに気づくでしょう。
この本は柔道の指導を念頭においていますが、柔道だけに当てはまるものは少なく、スポーツ全般に当てはまることがほとんどだと思います。また、スポーツや体育の先生が指導する場合のほか、お父さんやお母さんがわが子と身体を動かして遊ぶときにも当てはまると思います。
著者4人は全国各地で発達障害と柔道指導に関するワークショップを開催し、多くの指導者や保護者とお話してきましたが、特にうれしかったことは「私がやりたいと思っていたことは間違っていなかった。勇気づけられた。」という声でした。
この本を手に取ったあなたは、もう子供の顔が思い浮かんでいるかもしれません。子供たちは待っていると思います。これから歩もうとされる道を少しでも照らすことができたら望外の幸せです。著者一同
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購入方法
書籍の感想
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この本で学んだ指導者に教わる子供たちは幸せだ。
問題は通級(通常学級と支援学級を行き来する)の生徒が部活で柔道部を選び、発達障害を理解してない顧問に指導されてケガを負い、更なる重篤な障害者となったケースが複数あることだ。
柔道指導者全員に読んでいただきたい。— 全国柔道事故被害者の会 (@judojiko) June 10, 2020
ブログ「地域づくりは楽しい 地域のミツバチ 井上貴至の元気が出るブログ」のこちらの記事にて
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